メコン河本流ダム・プロジェクト

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 中国雲南省では現在、メコン河本流における14のダム・プロジェクトが計画、建設されています。本流ダムの建設は、中国国内における住民移転や環境影響のみならず、ダムによる河川流量や水質の変化が最上流国である中国の一手に握られることになるなど、下流の国々へもたらす広範な影響が懸念されます。

メコン河本流ダム・プロジェクトとは

 メコン河本流ダム・プロジェクトとは、現在、中国雲南省において計画・建設がすすめられている14のダム建設計画を指しています。完成すれば総出力は2万2260MWにのぼり、広東省など中国国内の電力が不足している地域に送られます。

 メコン河における本流ダム開発は、これまで計画が検討されたことはあったもののその影響の大きさが懸念され、一度も実現に至ったことはありませんでした。また1995年に結成されたメコン河委員会(MRC)において、本流でのダム開発については各国が利害関係を調節するということが決定されたため、MRC加盟国であるベトナム、カンボジア、ラオス、タイは現在、本流におけるダム開発を行っていません。しかしメコン河委員会(MRC)の正式メンバーではない中国は、経済発展に伴う逼迫した電力需要を背景に、今も着々と本流におけるダム建設を進めてきています。

本流ダム計画の中で最も早く完成した漫湾(Manwan)ダム(1500MW)は、1996年から発電を開始し、二番目にあたる大朝山(Dachaoshan)ダム(1350MW)もほぼ完成しています。また2001年1月からは、完成すれば堤体が世界最高規模となる小湾(Xiaowan)ダム(4200MW)の建設も始められています。

 これらの中国雲南省における本流ダムの影響について下流の国々が最も懸念していることは、@下流への水量の減少と、Aメコン河の水質への影響です。2000年5月に公表されたアジア開発銀行(ADB)報告書では、小湾ダムによる下流への影響について言及されており、研究者や援助関係者の話題をよびました。

また最初に完成した漫湾ダムでは、土砂の堆積により稼動後3年間で失った有効貯水量が当初は15年かかると見られていたレベルに達したことなど、土砂堆積についても懸念されています。さらにメコン河の水は土砂やシルトを含み、ダムによってそのシルトや土砂が遮断されると、下流の米作地帯に悪影響があるとみられています。メコン河委員会(MRC)のKristensen事務局長は、「もし水質が変われば、数百万人のカンボジア人に重要なたんぱく源を供給している下流の漁業に悪影響を及ぼす可能性がある。」と述べ、今後、中国が下流国とのより積極的な対話をおこなってゆくことの必要性を訴えました。

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